【IT×採用HR】管理職1,008名調査でAI格差7割超を確認(コーレ)

コーレ社が、生成AIを導入している企業の管理職・マネージャー1,008名に調査をかけ、「7割超が使いこなせない層によって業務に支障が出ている」と回答した、という調査結果です。

これは事例というより、提案資料の説得データとして使える調査です。 僕が注目したのは「課長・リーダー職が最大の遅れ層」という結論。 ここがそのまま中小企業のAI導入失敗パターンを言い当てているので、読んでおく価値があります。

「うちはまだAI入れてないし関係ない」と思った方、入れる前にこの調査を読むと「なぜ入れても定着しないか」の地雷が先回りで見えます。

中小企業のAI導入課題

調査結果から浮かび上がるのは、こういう構造的な問題です(コーレ社プレスリリース)。

  • 生成AIは普及した(ChatGPT利用率は約6割で最多)
  • しかし「使いこなせない層」が業務全体の足を引っ張っている
  • 最も遅れているのは現場ではなく課長・リーダー職(29.3%)
  • 経営層・管理職層の習熟遅れがボトルネック化している

中小企業でよくあるパターンと完全に重なります。 社長が「うちもAI入れよう」と言って若手は使いこなすけれど、判断する立場の管理職が触らないので、結局「現場の遊び道具」で止まってしまうやつです。

調査内容

調査の概要は以下です。

  • 調査対象: 生成AIを導入している企業の管理職・マネージャー1,008名
  • 主な発見: 7割以上が「使いこなせない人による業務支障」を実感
  • 最も遅れている層: 課長・リーダー職(29.3%)
  • 最多利用ツール: ChatGPT(約6割)
  • 最多活用業務: 文書作成(63.1%)
  • 投資姿勢: 約9割が今後のAI投資増額に前向き(100万〜500万円未満が最多)
  • 主な課題: セキュリティ懸念(33.5%)、活用アイデア不足(26.0%)

「導入の壁」より「定着の壁」のほうが高い、というのがこの調査の最大の示唆です。

7割超の実感が示す内訳と実態

報告された数値の内訳は以下です。

  • 業務支障の実感: 7割超(管理職側からの回答)
  • 遅れている層の認識: 課長・リーダー職が最多(29.3%)
  • 投資意向: 約9割が増額に前向き
  • 課題感: セキュリティ33.5%、アイデア不足26.0%

注意点として、これは「管理職本人が回答した認識」です。 「自分は使えてる、周りが使えてない」と答える傾向が一定含まれている点は読み解く際に冷静にしておきたいところです。

それでも「投資は増やしたいが活用アイデアがない」という構造は、中小企業でも同じ構造で観察される現象なので、説得データとしては十分使えます。

中小企業で再現するなら

ここからが本題です。この調査結果を踏まえ、年商5億規模の会社が「管理職のAI研修」をどう設計するかという話です。

構成

項目 コーレ調査の示唆 中小企業(年商5億・社員30名)での適用
対象 管理職層がボトルネック 部長・課長クラス3〜5名
ツール ChatGPT(6割で最多) ChatGPT Team or Claude for Work(月3,000円/人〜、2026年4月時点)
月額費用 (調査外) 推定 月1万5,000円〜(管理職5名分、2026年4月時点。要最新価格確認)
初期費用 (調査外) 推定 30〜100万円(管理職向け研修・プロンプト集整備)
体制 管理職層を起点に展開 経営者+管理職全員参加の研修+外部講師月5時間
期間 (調査外) 2〜3ヶ月で管理職→現場の順に展開

評価軸スコア

評価軸 スコア
ROI(投資対効果) ★★★☆☆
再現性(中小企業) ★★★★☆
難易度(低いほど簡単) ★★★☆☆

(難易度=数字小さいほど簡単)

スコア根拠は以下です。

  • ROIは中程度。研修は即時効果が見えにくい(数ヶ月単位で評価)
  • 再現性が高めなのは、管理職5名規模なら全員揃って研修できるため
  • 難易度は中程度。研修コンテンツ設計と継続実施の体制づくりが必要

前提条件・必要データ

  • 経営者がAI研修への投資意思を持っている
  • 管理職が研修に時間を割ける(現場優先で逃げ続けない)
  • 自社の業務でAIを使う具体シーンが事前にリストアップできている
  • 「使いこなせない=評価下げる」という空気を作らない覚悟がある

失敗条件・適用しないケース

  • 経営者本人がAIを触らずに「管理職に研修受けさせとけ」で済ます
  • 研修だけ実施して、その後の業務適用フォローをしない
  • セキュリティ懸念を理由に「使うな」で終わらせる(33.5%が懸念=ルール整備すれば解決)
  • 「現場が勝手に使ってる」状態を放置して管理職を巻き込まない

「ChatGPTを契約すればAIリテラシーが上がる」わけではありません。

管理職向け研修設計→自社業務での適用シーン整理→セキュリティルール明文化→現場展開→継続フォロー、という5ステップで初めて、コーレ調査が示した「課長・リーダー職のボトルネック」を解消できます。

研修だけ買って終わるのが、いちばん起こりやすい失敗パターンです。

出典・参考


市野

市野

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愛知県岡崎市でAI活用支援を手がける一人社長。 中小企業の現場でAIを実装してきた経験から、他社事例を「うちで再現するには」の視点で読み解いて発信中。

市野 佑馬
執筆メンバー 市野 佑馬

愛知県岡崎市を拠点に、中小企業向けのAI活用支援を提供。ChatGPT・Claude Code等を活用した業務自動化やSEO・広告運用の内製化を支援。経営者が自らAIを使いこなせる体制づくりをサポートしている。

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