あらすじ
「合わないと分かっているのに、3年つき合った恋人と別れられない」
「疲れ切っているのに、その仕事をやめられない」
「思い出深い趣味・習慣が、もう自分に合わないと気づいているのに、手放せない」
やめたいのに、やめられない。そんな自分を「意志が弱い」「決断力がない」と責め続けてきた人へ。
やめられないのは、あなたが愛したから。
真剣に愛していないものは、悩まず手放せます。悩むのは、大切にしてきた証拠です。
1985年のアーキス&ブルーマーの実験で示された通り、人間の脳は過去に投じたコストを手放すことに、生物学的な痛みを感じるようにできています。つまり、やめられないのは人間として自然な反応。性格の問題ではありません。
本書の4章構成
第1章 なぜやめられないのか — それは「愛した証拠」だから
第2章 あなたの執着の正体 — 5つのセルフチェック
第3章 感情を否定せずに撤退する5ステップ — 泣く・書く・話す・距離・記念日
第4章 手放した後、空白をどう埋めるか — 時間軸で4段階
本書の3つの独自性
「手放す」を「愛を否定する」と区別する。愛した事実を残したまま、日々の関わりӖ
こんな人におすすめ
20〜40代。恋愛・人間関係・趣味・習慣など「やめたいのにやめられない」悩みを抱える層
試し読み
はじめに やめられないのは、あなたが悪いからじゃない
まず、一つだけ言わせてください
手に取ってくれて、ありがとうございます。
これから書くことは、すべてあなたを責めないために書きます。
– 合わないと分かっている恋人と、別れられない
– 疲れ切っているのに、その仕事をやめられない
– 続ける意味を失った趣味や習慣を、手放せない
– 期待通りじゃなかった買い物を、返品せず抱え続けている
「なんで自分はこんなに意志が弱いんだろう」
「普通の人ならすぐ決断できるのに」
そう思ってきたなら、まず、その考え方を一度わきに置いてほしいんですよね。
僕も、3年、別れられませんでした
正直に書きます。
僕自身、20代後半に3年つき合った相手と、最後の1年は「たぶん合わない」と気づいていました。
週末に会うのが気重になる。価値観の違いで、同じ話題でくりかえしぶつかる。
でも、別れられなかった。
頭のどこかで、ずっとこう思っていました。
「ここまで3年つき合ったんだから、今さら手放すのはもったいない」
結局、別れを切り出したのは、相手のほうでした。
別れたあと、不思議なくらい穏やかになった自分と、相手の冷静な表情を見て、やっと気づきました。
僕は、相手を愛していたんじゃなくて、「3年間の自分の選択」を愛していた。
この気づきが、この本の出発点です。
意志の問題じゃない。脳のクセの問題
人が「やめたい」と思っても手放せないのは、意志の強さの問題じゃありません。
これは、行動経済学でコンコルド効果(サンクコスト効果)と呼ばれる、人間の脳に備わったクセです。
1985年、アーキスとブルーマーという2人の研究者が、こんな実験をしました。
スキー旅行のチケットを、100ドルと50ドルの2種類、別々の日程で買ってしまった人が、どちらを選ぶか。
楽しさでいえば50ドルの旅行のほうが上、と条件づけたのに。
61人中33人(54.1%)が、楽しくないとわかっている100ドル側を選びました。
つまり、人間の脳は「楽しいかどうか」より「いくら払ったか」で動いてしまう瞬間がある。
この傾向は、お金だけじゃなくて、時間・感情・関係にも同じように働きます。
だから、3年つき合った相手から離れられないのも、合わない仕事を続けてしまうのも、人間として自然なことなんですよね。

この本が、してあげられること
本書は、第1巻(行動経済学の入門書)・第2巻(マーケ応用編)とは、意図的に違う角度で書きました。
学問的な解説や、分析的な損切りフレームは、最小限です。
代わりに、本書がしたいのは、ひとつだけです。
> あなたの「やめられなかった過去」を、あなた自身が赦せるようにする
「3年つき合った相手と別れられなかった私、ダメだったな」ではなく、
「3年、誠実に愛した私は、十分誇らしい」と言える視点を、一緒に探します。
本書の4章構成
本書は、次の4章で進みます。
– 第1章 なぜやめられないのか — それは「愛した証拠」だから
– 第2章 あなたの執着の正体 — 5つのセルフチェック
– 第3章 感情を否定せずに撤退する5ステップ — 泣く・書く・話す・距離・記念日
– 第4章 手放したあと、空白をどう埋めるか

お守りを、ここに書いておきます
本書を読みながら、ときどき感情がゆれる瞬間があるかもしれないんです。
もし、いま「死にたい」「消えてしまいたい」と感じるほど辛ければ、本書を閉じて、先にこちらに電話してほしいです。
– よりそいホットライン: 0120-279-338(24時間・無料)
– DV相談ナビ: #8008
– いのちの電話: 0570-783-556
あなたの命のほうが、どんな読書より、ずっと大事です。
さあ、始めます
やめられないのは、愛しているからです。
愛した事実を大事にしたまま、静かに手放す方法が、ちゃんとあるんです。
一緒に、次のページへ進みましょう。
藤枝 陽介
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