MJS(ミロク情報サービス)がMicrosoft 365 Copilotで記帳代行を最大80%削減した事例です。 MJS公式ブログ(2025-06-01)で公開されています。
「大手ベンダーのPRだから関係ない」と読み飛ばすにはもったいないです。 中小会計事務所で「記帳/仕訳/月次レポートに工数を取られ顧問先への提案時間が確保できない」で悩んでいる構造そのものだからです。 MJSは「AI-OCR+Copilot連携で記帳〜月次レポートを一気通貫化」で解いています。
僕が注目したのは、「記帳代行時間を最大80%削減」という具体的な数字です。中小会計事務所にそのまま転用できます。
中小会計事務所の記帳工数課題
社員10〜100名の中小会計事務所にありがちな構造はこうです。
- 記帳代行に毎月膨大な時間
- 仕訳判断がベテラン依存
- 月次レポート作成に手作業の時間
- 結果、提案時間がゼロで付加価値が出ない
汎用ChatGPTでは会計データを処理しません。「AI-OCR+Copilot+会計連携」が必要、というのが本事例の骨子です。
MJSの取り組み
MJS公式ブログで紹介されている内容は以下です。
- 対象: 会計事務所の記帳〜月次レポート
- 基盤: Microsoft 365 Copilot+AI-OCR
- 用途:
- 証憑デジタル化: AI-OCRで領収書・請求書を構造化
- 仕訳自動提案: 過去データから仕訳をAIが提案
- 月次レポート: Copilotでドラフト自動生成
- 設計思想: 記帳〜レポートを一気通貫で自動化
効果実感の数字:
- 記帳代行時間を最大80%削減
- 仕訳提案と月次レポート自動化で提案時間を捻出
何が真似できるか
MJSはベンダー発信ですが、設計思想だけ抜き取るとこうなります。
- 証憑をAI-OCRで構造化
- 仕訳は過去データ学習でAI提案
- 月次レポートはCopilotドラフト
- 効果は「1顧問先の記帳時間×提案時間×受任単価」で測る
特に「一気通貫」が秀逸です。中小会計事務所ほど「OCRだけ」「Copilotだけ」と部分導入になりがちですが、繋げると工数が桁違いに減ります。
中小企業で再現するなら
ここからが本題です。社員10〜100名の中小会計事務所で同じ思想を取り入れるならどう削るか。
構成
| 項目 | MJS提案 | 中小会計事務所(社員10〜100名) |
|---|---|---|
| 対象 | 全顧問先 | 主要顧問先から段階展開 |
| ツール | Copilot+AI-OCR+会計ソフト | Microsoft 365 Copilot+AI-OCR(月3〜10万円目安、2026年5月時点。要最新価格確認) |
| 月額費用 | (記載なし) | 推定 月5〜20万円(人数×単価) |
| 初期費用 | (記載なし) | 推定 30〜150万円(連携設計+仕訳ルール整備) |
| 体制 | 税理士+IT | 経営+税理士+情シス |
| 期間 | (記載なし) | 2〜4ヶ月で運用化 |
評価軸スコア
| 評価軸 | スコア |
|---|---|
| ROI(投資対効果) | ★★★★★ |
| 再現性(中小企業) | ★★★★☆ |
| 難易度(低いほど簡単) | ★★★☆☆ |
(難易度=数字小さいほど簡単)
スコア根拠は以下です。
- ROIは最高。80%削減は人件費に直結
- 再現性は高い。Copilot+AI-OCRで同思想を再現可
- 難易度は中。会計ソフト連携が前提
前提条件・必要データ
- 既存会計ソフトがAPI連携可能
- 過去の仕訳データが1年以上蓄積
- 顧問先と証憑デジタル化合意
- 月次で1顧問先工数を計測
失敗条件・適用しないケース
- 証憑が紙のまま郵送(OCR対象外)
- 仕訳ルールがベテランの頭の中
- AI提案を校閲なし計上(誤計上リスク)
- 効果測定をせず「便利になった気がする」で終わる
「Copilotを契約すれば80%削減になる」のではありません。
証憑デジタル化合意→AI-OCR導入→仕訳ルール学習→Copilot連携→検証顧問先→月次測定、という流れが2〜4ヶ月で回って初めて、本事例が描く「80%削減」像が中小事務所にも見えてきます。
特に「証憑デジタル化合意」を省くと、紙が残ってOCRが動きません。
出典・参考
市野
愛知県岡崎市でAI活用支援を手がける一人社長。 中小企業の現場でAIを実装してきた経験から、他社事例を「うちで再現するには」の視点で読み解いて発信中。
