【人材×業務自動化】マイナビが非エンジニア主導でAI活用、文系AI塾900名超で全社変革

【人材×業務自動化】マイナビが非エンジニア主導でAI活用、文系AI塾900名超で全社変革 事例紹介

人材サービス大手のマイナビが、2021年から非エンジニア主導でAI活用を全社展開している、という事例です。

「IT部門が主導する」のではなく、「事業部門・管理部門の社員が自分でAIを設計する」というスタイルが大きな特徴です。 だからこそ年商5億の会社にも応用が効きます。

僕が注目したのは、AIツール名そのものではなく「非エンジニアを巻き込む組織設計」のところです。 ツールを入れて終わりではなく、現場が「自分の業務にどう使うか」を考える状態をどう作るか。ここを抜きに語ると、ただのツール紹介になって挫折します。

全社AI活用の課題

人材ビジネスのような労働集約型の業界でよくある構造的な課題は、こんな感じです。

  • IT部門だけでAI推進すると、現場が「自分ごと」にならない
  • 「AIで何ができるか」を現場が言語化できず、要件が固まらない
  • ツール導入だけで終わって、現場の業務フローが変わらない
  • 結果として、AI予算は使ったのに業務時間は減らない

この構造は、規模を問わず同じです。 違うのは「兼任で巻き込まれる人数」が30人か3,000人か、くらいの話です。

マイナビがどう取り組んだか

元記事(Business Insider Japan、2025-07-30、Sponsored by マイナビ)で報告されている主な構成は以下です。

  • 対象: マイナビ全社(事業部門・管理部門含む)
  • 体制:
  • 2021年1月「AI研究・推進プロジェクト」を全社横断で発足
  • 2024年10月「AI戦略室」を新設、推進を加速
  • 「AXPJ(AIトランスフォーメーションプロジェクト)」として複数部門で並走
  • 人材育成: 2025年7月開講「マイナビ文系AI塾」に900名超がエントリー
  • 開発スタイル: アジャイル開発で1週間でプロトタイプを回すサイクル

ポイントは「文系AI塾」のところです。 専門教育ではなく、現場の文系社員にAIの作り手側を経験させ、自部署の業務に落とすという設計です。エンジニアが作って配るのではなく、現場が作る状態を意図的に作っています。

人起点のAI変革と実態

元記事で報告されている主要な要素は以下です。

  • 2021年からの継続的取り組み: 4年以上の積み上げで全社展開
  • 文系AI塾900名超: 非エンジニア層への学習機会の広さ
  • アジャイル1週間プロトタイプ: 業務部門が試行錯誤できる開発スピード
  • 事業部主体: IT部門に依頼するのではなく、現場が主役

注意点として、これは 組織的な巻き込み事例 であり、「特定のAIツールで〇〇%削減」という単一指標の話ではありません。 個別ツールの効果より、「現場が自分でAI活用を考える文化」を時間をかけて作った点が肝です。短期で真似しようとすると、表面だけのツール導入になりがちです。

中小企業で再現するなら

ここからが本題です。年商5億規模で「人起点のAI推進」を真似するならどう削るか。

構成

項目 マイナビ 中小企業(年商5億・社員30名)
対象 全社事業部門・管理部門 全社員(30名)+管理部門3〜5名
体制 AI戦略室+全社横断PJ 兼任の社内AI推進担当1名(管理部門兼任)
学習機会 文系AI塾900名超 月1回・1時間の社内勉強会(全社員参加)
ツール 自社開発+各種AI Claude / ChatGPT Team(月3,000円/人〜、2026年4月時点。要最新価格確認)
月額費用 (非公開・大規模) 推定 月3〜6万円(社員10〜20名分のAIツール費)
初期費用 (非公開) 推定 30〜80万円(社内勉強会設計+プロンプト整備支援)
期間 2021年〜継続(4年超) 6ヶ月でPoC→1年で全社運用

評価軸スコア

評価軸 スコア
ROI(投資対効果) ★★★☆☆
再現性(中小企業) ★★★☆☆
難易度(低いほど簡単) ★★★☆☆

(難易度=数字小さいほど簡単)

スコア根拠は以下です。

  • ROIは中程度。文化醸成型なので即効性は低いが、長期で複利的に効く
  • 再現性は中程度。経営層のコミットと、現場が学ぶ時間の確保がハードル
  • 難易度は中程度。ツールではなく組織設計が肝。技術より人事・教育の話

前提条件・必要データ

  • 経営層が「AI活用は全社で進める」とコミットしている
  • 現場社員が月1〜2時間、勉強会・PoCに時間を割ける運用設計
  • 社内のどの業務をAI化するか、業務リスト化できる(候補出しが可能)
  • 「失敗して学ぶ」を許容できる文化(初回プロトタイプは粗くてOK)

失敗条件・適用しないケース

  • 経営層が「IT部門に任せる」スタンスから動かない
  • 現場が「業務時間を削るために学ぶ時間が取れない」と本気で言う
  • 「研修だけやって現場で使わない」状態になる(ツール費だけ残る)
  • 兼任担当が孤立して、半年で疲弊して離脱する

「文系AI塾を真似すれば回る」わけではありません。

経営層のコミット→現場巻き込みの仕組み→学ぶ時間の確保→自部署の業務でPoC→成功事例の社内共有、という5ステップの順番が崩れると、ツール費だけ残って成果が出ない構造になります。

ここはツール選定より、誰がいつ何をやるかの運用設計のほうが圧倒的に効きます。

出典・参考


市野

市野

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愛知県岡崎市でAI活用支援を手がける一人社長。 中小企業の現場でAIを実装してきた経験から、他社事例を「うちで再現するには」の視点で読み解いて発信中。

市野 佑馬
執筆メンバー 市野 佑馬

愛知県岡崎市を拠点に、中小企業向けのAI活用支援を提供。ChatGPT・Claude Code等を活用した業務自動化やSEO・広告運用の内製化を支援。経営者が自らAIを使いこなせる体制づくりをサポートしている。

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